不織布とは
不織布ってどんな布?
文字通り「織らない布」のことです。
と言ってもピンとこないかもしれませんね。
例えば、私たちが普段、着用している服は糸を織ったり、編んだりしてできた布を縫製したものです。
Tシャツやセーター、スーツ、肌着などほとんどの衣類は織りや編みによって作られた布を生地とします。
一方、不織布は織ることも編むこともしません。専門的な定義で言えば「繊維を紡いだ、織ったり編んだりせずに繊維間を融着や機械的、化学的作用により結合、あるいは絡み合わせたシート・ウェブまたはパット状のもの」が不織布です。
不織布の素材にはコットンや麻、ウールなどの天然素材をはじめ合成繊維、再生繊維、さらには紙の原料であるパルプなど、あらゆるものが使われます。
不織布って何に使われるの?
皆さんの生活の中で身の回りものを想像してみてください。
不織布はどこに使われているのでしょうか。
実際、不織布は生活のあらゆるシーンで使われていますが、ひとつの製品のパーツや基材として使われることが多いため、なかなか目に付きません。
衣類を構成する肩パッドや芯地、テープ類などの目に見えないところにも不織布が多用されています。
このほか、紙おむつやシップ材、病院用のマスクやガーゼなどの衛生・医療分野、土地安定剤などの土木・建築分野、研磨剤や電気絶縁材、電池セパレータなどの産業資材分や、内装材などの自動車資材分野、フィルタ類などの空調資材分野など、様々な分野、目的で不織布は活用されています。
目立ちはしないのものの、私たちの生活を支え、豊にしている素材、それが不織布です。
不織布の特徴を教えて!
不織布はポーラス(多孔性)構造となっています。このため通気性、吸水性に富み、保湿性も高いなど、種々の機能、特長があります。 | ||
様々な生産工程、バラエティー豊かな素材の活用により、ろ過性、分離性、拭き取り性、補強性、成形性、緩衝性、導電性、帯電性、柔軟性、耐洗濯性、耐薬品性、樹脂含浸性など、用途や目的にあわせた機能を付加することができます。 | ||
生産性が極めて高く、マスプロダクトが可能です。また、緻密なものから嵩高なものまで、密度をコントロールでき、その厚さを自由に変えることができます。 | ||
縫製することはもちろん、熱による接着が可能なものもあります。 | ||
様々なタイプの設計が可能で、応用性が高く、布や紙、皮などの既存の分野にその代替品として置き換わるだけでなく、あらゆる分野で新しい独自の用途開発がさらに進んでいます。 |
不織布の原料は?
用途に合わせての組み合わせ
不織布の製法 製法も様々です
ウェブの主な形成方法
- 乾式法
- 湿式法
- スパンボンド法
- メルトブローン法
- エアレイド法
ウェブの繊維結合方法
- ケミカルボンド法(浸漬法)
- ケミカルボンド法(スプレー法)
- サーマルボンド法
- ニードルパンチ法
- 水流交絡法